2014年5月7日水曜日

「デカい相手」




















201457日 

準決勝前、僕は腕を回したりして準備運動しながら相手を観察していた。
「うへっ、でかっ」
そう思わずにはいられなかった。
なにしろ相手は1メートル70センチもあるのだ。ぼくより30から35センチも大きいのだ。        
「始め」
審判の掛け声とともに二人とも立ち上がった。
僕は返し胴と面を決めて勝った。
その後、
「なんだあのちびは」
と言っているのが聞こえた。
ぼくは
「ざまあ見ろ、小さいからって見くびるな」
と思った。
試合の後、タイマー係だったお父さんが
「よかったよ、あの返し胴は。その時先生や審判たちが「オーッ」と言って驚いていたよ。」
と褒めてくれた。
ぼくは、
「そんなこと全然聞こえなかったよ。サンドラも応援してくれたって言ってたけど、それも聞こえなかったよ。」
「たぶんすごく集中してたからだと思うよ。」
残念なことにぼくは決勝で負けてしまった。
この準決勝が、ぼくの一番調子のいい試合だった。


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